思えば幼い頃や若い頃は、未来を大きなキャンバスに好きなように描いていました。
「いつかきっと、こんな仕事で輝くんだ!」 「憧れのあの人と、素敵な恋をして結ばれるんだ!」 「笑いの絶えない、温かい家庭を築くんだ!」
キラキラとした瞳で、夢や希望、理想を臆することなく語り合えた、あの眩しい時間。中高生の頃には、未来はどこまでも広がる可能性に満ち溢れているように感じられました。
しかし、時が流れ、30代、40代という大人の階段を上るにつれて、ふと気づくことがあるのではないでしょうか。
「どうしてだろう…、あの頃夢見たことは、こんなにも頑張っているのに、なかなか叶わない」と。
まるで、見えない壁に阻まれているかのように、もがいても報われないと感じる瞬間。
周囲の人に「叶わない願いを持っている」と思われるのが嫌で、いつしか自分の願望を口にすることさえ躊躇うようになるのかもしれません。「どうせ、自分には縁がないんだ」と、心のどこかで諦めにも似た感情を抱き、目を背けてしまうこともあるでしょう。
もし、あなたがそう感じているのなら、それは紫微斗数でいう「来因宮(らいいんきゅう)」が影響しているのかもしれません。
来因宮は前世からの課題
☆来因宮は、前世でやり残したこと、うまく向き合えなくて後悔や未練として心に残っている事柄を示す宮です。
今世においても、その影響から、特定の分野において願いがなかなか実現しなかったり、苦労を伴いやすかったりすると言われています。
しかし、来因宮が示す課題は、決して乗り越えられない壁ではありません。むしろ、困難を乗り越えたときには、運気が大きく開花するとも言われる、成長のチャンスを秘めているのです。
私自身の来因宮は「遷移宮(せんいきゅう)」にあります。
遷移宮は、家を出た外での運勢全般を表し、他人から見た自分の印象、社会的な活動、人とのコミュニケーション、旅行、引っ越し、そして結婚など、多岐にわたる事柄を司るとされています。
振り返れば、私はとても引っ越しが多く、どこかに根付くということができていません。
そのため「地元の友達や仲間と集まって…」という言葉にとても憧れを持っています。
幼少期は数年間を海外で過ごしたため、帰国後の小学校生活に馴染むのに長い時間を要しました。
人見知りも激しくなり、ようやく慣れたと思っても、また新たな環境へと移り住む繰り返し。
高校、大学に進学してからも、友人との深い付き合いを築くことは苦手で、賑やかなサークル活動なども敬遠していました。
結婚後も、住居を転々とする生活が続き、ほとんどのママ友との関係も気薄で長く続きませんでした。
別居や離婚も経験し、人生で12回もの引っ越しを重ねています。
友人や仲間に囲まれて、安心して地に根を下ろして暮らしている人たちの姿を、ずっと羨ましく思っていますが、なかなか叶いません。
友達は本当に少なく、それでもいてくれるだけでも感謝なので良いのですが、今までたくさんの人と出会ってきたので、もう少し友人と呼べる人がいても良いのでは(^_^;)とも思っていました。
でも、紫微斗数と出会い、私のこの外での人間関係における苦労が、前世からの持ち越してきた課題であると知ったとき、腑に落ちる感覚があってスッキリしたのです。
ずっと、私自身に問題があるからだと思っていましたが、元々苦労する宿命を持っていたんだと思うと、自分だけのせいじゃない気がして楽になりました。
この来因宮が示す課題から目を背けることなく、外での自分としっかりと向き合い、一つひとつ乗り越えていきたいと強く思っています。
先日、友人同士のお二人からご相談を受けた際、偶然にもお二人の夫妻宮が来因宮でした。お二人とも、結婚に関する悩みを抱えていらっしゃいましたが、「宿命のせいだから仕方ないのかも」と、少し肩の荷が下りたような雰囲気を感じました。
そこで、お一人おひとりに合った出会いの方法などをいくつかお伝えしたところ、前向きな気持ちを取り戻していただけたようです。
でも常に前向きでなくても良いのです。
立ち止まったり、少し戻ったりしても、大丈夫です。
「休み休みだとしても、諦めないことが一番大切」というシンプルな真理を時々思い出して、頑張った自分を労わりながら進みましょう☆